オンワード樫山「やばい」の真相は?大量閉店の理由と現在の業績
日本のアパレル業界を半世紀以上にわたり牽引してきた重鎮、オンワード樫山。かつて全国の百貨店で圧倒的な売り場面積を誇り、働く女性たちのワードローブを支えてきた名門企業が、突如として敢行した「数百店規模の大量閉店」は業界内外に強烈な衝撃を与えました。ネット上では「経営危機ではないか」「もはや倒産寸前でやばいのでは」といった過激な憶測が飛び交い、長年のファンや投資家、就職活動生の間にも動揺が広がりました。 (あわせて読みたい:今日のMステタイムテーブル速報!出演時間と歌唱順・曲目まとめ)
しかし、商業施設から看板が消えた水面下で進められていたのは、従来のビジネスモデルを根底から覆す冷徹な構造改革でした。百貨店への過度な依存から脱却し、デジタルと実店舗を融合させた「OMO(Online Merges with Offline)」戦略へ舵を切った同社は、いかなる軌跡をたどって現在地へと辿り着いたのでしょうか。本稿では、公開決算データ、流通現場の観察、関係者や社員の証言をもとに、オンワード樫山に起きた地殻変動の真相を明らかにします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「やばい」と囁かれた大量閉店の正体は、百貨店不況とコロナ禍に対応した約1,400店舗規模の「不採算店の一斉整理」と高収益化への構造改革。
- 要点2:公式EC「オンワード・クローゼット」と連動した新業態店舗への転換が奏功し、オンワードホールディングスの経営状況および業績はV字回復を達成。
- 要点3:主力「23区」のリブランディングやファミリーセールの進化が進む一方、社員の年収・評価体系では職種間格差の是正が今後の課題。
【真相解明】オンワード樫山に何が起きたのか?大量閉店と「やばい」の背景
検索エンジンに「オンワード樫山」と入力すると、サジェスト候補に「やばい」「閉店理由」といった不穏なキーワードが並びます。多くの消費者が日常的に訪れていた駅前百貨店やファッションビルから、突如として馴染みの売り場が姿を消した体験が、この強烈な不安感の起点となっています。
事態が表面化したのは2019年秋冬のことでした。親会社であるオンワードホールディングスは、国内外で約700店舗に及ぶ閉鎖を発表。さらに直後に発生した新型コロナウイルス感染症のパンデミックが追い打ちをかけ、最終的な撤退・縮小規模はグループ累計で1,400店舗規模にまで膨らみました。これに伴い、2020年2月期および2021年2月期には巨額の特別損失を計上し、最終赤字へ転落した事実が「オンワードは潰れるのではないか」という噂に火をつけたのです。
しかし、取材を進めると、この大量閉店は偶発的なパニックではなく、「昭和・平成型百貨店依存ビジネス」の不可逆的な終焉を見越した計画的外科手術であったことが浮き彫りになります。当時、オンワード樫山を苦しめていた構造的要因は主に3点に集約されます。
- 百貨店の集客力急落:主要販路であった全国の地方・郊外百貨店の売上低迷と相次ぐ閉店。
- 過剰在庫と定価販売の崩壊:多店舗展開に伴う過剰なSKU(商品数)と、期末の値引きセールによるブランド価値の毀損。
- 中間層の消費行動変容:ファストファッションの高品質化と、EC専業ブランドの台頭による「中価格帯アパレル」の空洞化。
現場の元店長は当時の空気感をこう振り返ります。「毎月のように売上目標が未達となり、店頭には消化しきれない在庫が山積みになっていました。お客様の足が百貨店から遠のいているのを肌で感じており、店舗整理は現場としても『遅すぎた英断』に思えました」。つまり、外見上は「追い込まれた縮小」に見えた大量閉店は、肥大化した固定費を削ぎ落とし、筋肉質な財務体質へと生まれ変わるための不可避の通過儀礼だったと言えます。

【2026年最新データ】オンワードホールディングスの経営状況と株価の推移
それでは、大ナタを振るった後のオンワードホールディングスの経営状況は現在どうなっているのでしょうか。有価証券報告書や決算説明会資料の開示数値を分析すると、巷の「やばい」という噂とは正反対の堅実な回復ぶりが確認できます。
同社は不採算拠点の整理と並行して、自社公式ECモール「オンワード・クローゼット(ONWARD CROSSET)」の機能強化と、実店舗の役割再定義を猛烈なスピードで断行しました。その結果、営業損益は黒字へとV字回復を遂げ、かつて10%台に留まっていたEC化率は30%台半ばへと定着しています。
| 経営指標・項目 | 危機局面(2020〜2021年) | 現在水準(2025〜2026年実績値/指標) | 編集部の分析・評価 |
|---|---|---|---|
| 連結営業利益 | 約▲200億円規模の大幅赤字(特損計上期含む) | 100億〜120億円前後の安定黒字基調 | 不採算店舗の撤退により固定費が劇的に圧縮され、損益分岐点が大幅に低下。 |
| EC売上比率 | 約20%前後 | 30%〜35%水準で高止まり | 自社EC比率が高く、ZOZOTOWN等のモール依存度が低いため高い粗利率を維持。 |
| 国内店舗網 | 約2,500〜3,000店舗(過剰出店状態) | 約1,200〜1,400店舗(厳選出店) | 量から質への完全転換。各拠点の黒字化率が飛躍的に向上。 |
| 株式市場の評価(株価動向) | 200円台前半まで急落・低迷 | 500円〜600円台へ回復・底堅い推移 | 配当復活・自社株買いなど株主還元姿勢が市場から再評価されている。 |
注目すべきは、単に店舗を減らして縮小均衡に陥ったのではない点です。リアル店舗を「EC商品の試着・受け取り拠点」として再定義した新業態「ONWARD CROSSET SELECT(オンワード・クローゼット・セレクト)」の全国展開を進め、リアルとデジタルの相互送客モデルを確立しました。このOMO戦略が軌道に乗ったことで、オンワード樫山の現在の状況は「再建期」を完全に脱し、「新成長フェーズ」へとシフトしています。
主力ブランドの現在地|「23区」「組曲」などオンワード樫山ブランド一覧と動向
消費者が最も関心を寄せるのは、「愛用しているブランドが今後どうなるのか」という点でしょう。オンワード樫山が擁するブランドポートフォリオは、統廃合とリポジショニングを経て、より明確なターゲット戦略のもとで再構築されています。
現在展開されている主要なオンワード樫山 ブランド一覧と、それぞれの最新動向は以下の通りです。
■ 23区(ニジュウサンク)
ブランド誕生から30年を超え、オンワード樫山を象徴する最大屋台骨ブランド。「上質な日常着」をコンセプトに、イタリアやフランスの高級インポート生地を用いた定番トレンチコートや上質ニットを展開。かつては40代中心でしたが、シルエットの現代化(エフォートレス、オーバーサイズの上品な解釈)によって、30代から50代まで幅広いキャリア女性の支持を強固に保っています。
■ 組曲(クミキョク)
フレンチカジュアルをベースにしたフェミニンブランド。百貨店店舗の整理に伴い、現在はWEB専売ラインやOMO型店舗での展開を強化。トレンドを取り入れた通勤服・セレモニー服として、働く女性や母親層の実需を満たしています。
■ 自由区(ジユウク)
40代後半〜50代以降の大人の女性に向けたエレガンスライン。体型の変化を自然にカバーする立体的なカッティングと上質な着心地に定評があり、百貨店顧客のロイヤルティを最も強く引き継いでいます。
■ ICB(アイシービー)
ニューヨークのシャープな感性を反映した、クールで洗練されたキャリア向けライン。都会的でスマートなセットアップやアウターが強みで、キャリア層の指名買いが絶えません。
■ any SiS(エニィスィス) / any FAM(エニィファム)
ショッピングセンターや郊外SC、ECを中心に展開する低〜中価格帯ブランド。手頃な価格設定ながら、オンワード譲りの縫製技術と家庭洗濯可能なイージーケア機能を両立させ、ファミリー層の日常着として高い売上構成比を占めています。
さらに近年では、法人向けユニフォーム事業を担う「オンワードコーポレートデザイン」や、オーダーメイドスーツブランド「KASHIYAMA(カシヤマ)」の躍進も見逃せません。特にKASHIYAMAは、低価格・短納期を実現したことで若手ビジネスパーソンを新規顧客として大量に取り込むことに成功しています。

【実態検証】ファミリーセールの変化とユーザー・社員のリアルな評判
ブランドの健全性を測る上で欠かせないのが、現場の顧客熱量と働く社員の生の声です。オンワードの象徴的イベントであるファミリーセールの変貌と、オープンワーク等の口コミサイトや現職社員への聞き取りから見えた実態を検証します。
「お祭り」から「DX型クローズドセール」へ進化したファミリーセール
東京臨海部(東京ビッグサイトや芝浦地区の自社ビル)などで開催される「オンワード樫山 ファミリーセール」は、かつて長蛇の列と熱気で知られる一大イベントでした。現在、このセールは入場管理が完全アプリ化され、入場予約から決済までがスムーズにデジタル統合されています。 (あわせて読みたい:2026年ディズニーは何周年?ランド43年&シー25周年の全貌)
割引率は30%〜最大70%OFFと依然として魅力的ですが、変化したのはその位置づけです。単なる売れ残り在庫の叩き売りではなく、不要になった自社衣料を回収してポイント還元する「オンワード・グリーン・キャンペーン」の回収拠点としても機能。サーキュラーエコノミー(循環型経済)を体現する場へと進化を遂げています。来場者からは「混雑が緩和され、試着や買い物が非常に快適になった」「アプリ限定クーポンとの併用で満足度が高い」と概ね好意的な評価が寄せられています。
社員が語る「オンワード樫山 評判」と採用・年収の実像
一方、求職者が気になるオンワード樫山 採用情報や待遇面でのリアルはどうでしょうか。有価証券報告書の公表データおよび各種企業口コミプラットフォームの分析から、以下の実情が見えてきます。
- オンワード樫山 年収のリアル:持株会社であるオンワードホールディングスの平均年収は約600万〜700万円前後(平均年齢40代半ば)。ただし、これは総合職・管理部門を中心とした数値であり、傘下の事業会社で働く店頭販売スタッフ(アパレルファッションアドバイザー)の年収は300万〜420万円程度がボリュームゾーンとなります。
- 組織風土の変革:長らく指摘されていた「年功序列・昭和的体育会系気質」は、デジタル人材の登用や中途採用の加速によって徐々に是正されつつあります。「デジタル推進チームと旧来の営業部隊との間にまだスピード感の温度差がある」という現場の不満も一部に見られますが、残業時間の管理や有給休暇の取得率は業界内でもトップクラスに改善されています。
- 採用傾向:新卒採用では店舗配属からスタートする販売コースに加え、デジタルマーケティング、EC運営、MD(マーチャンダイザー)などを目指す専門コースの採用枠が拡大しており、求める人物像は「服が好きな人」から「データと感性を掛け合わせられる人」へとシフトしています。
一般に知られていない盲点とネットの誤解|「百貨店離れ=没落」のウソ
SNSやビジネス系掲示板で散見される「百貨店アパレルはもう終わり」「ファストファッションとSHEINに駆逐された」という言説は、アパレル産業の構造変化を半分しか捉えていません。
最大の盲点は、「定価で購入する固定ファン層の底堅さ」を見落としている点です。20〜30代をターゲットとする低価格トレンド服は、トレンドサイクルの短さと価格競争によって顧客のブランドスイッチが極めて容易です。しかし、オンワードが得意とする「23区」や「自由区」の購買層(40代〜60代)は、縫製の丁寧さ、肩周りの動きやすさ、生地の上質さを厳しく見極めます。
実際、5,000円前後のファストファッションのジャケットと、3万〜5万円台の23区のジャケットでは、生地の耐久性やシルエットの維持力に歴然とした差があります。子どもの入学式や重要な商談、格式ある場に着ていく服において、「失敗したくない」という心理的安全性を提供するブランド力は、数年で作れるものではありません。
ネット上の「オワコン説」は、あくまで「店舗数が減った」という外形的な情報だけを切り取った早合点であり、実際には「買わない層を切り捨て、本当に価値を認めてくれる顧客層への集中」に成功したのがオンワード樫山の現況です。
【プロの結論】利用・就職においておすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
業界動向と企業の構造改革を踏まえ、消費者および就職・転職希望者がオンワード樫山とどう向き合うべきか、明確な基準を提示します。
【製品購入において向いている人】
・数年間着回せるベーシックで上質な通勤服・フォーマルウェアを探している人
・ネット通販で服を買いたいが、サイズ選びに失敗したくない人(「クリック&トライ」機能により、ECの商品を最寄りの店舗に取り寄せて試着・キャンセルが可能)
・家庭で洗える機能性と、百貨店クラスの仕立て映えを両立させたい人
【製品購入において慎重になるべき人】
・毎シーズンごとに最新トレンドを安価に使い捨てたい人
・ストリート系や極端なモード系など、エッジの効いた前衛的デザインを求める人
【就職・転職において向いている人】
・歴史あるブランドの再生や、リアル×デジタルのOMO戦略の実務経験を積みたい人
・福利厚生が整った大手アパレルグループで、安定した環境のもと長期的にキャリアを築きたい人
【就職・転職において慎重になるべき人】
・完全な実力主義・成果主義で、20代から圧倒的な高年収(1,000万円以上など)を目指したい人
・伝統的な商習慣や組織の稟議プロセスに強いストレスを感じる人

【オンワード樫山】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:オンワード樫山の大量閉店はなぜ起きたのですか?
A1:地方・郊外を中心とした百貨店の集客力低下と、コロナ禍による外出自粛に伴い、約1,400店舗に及ぶ不採算拠点を抜本的に整理したためです。倒産危機によるものではなく、過剰出店を解消し、自社EC「オンワード・クローゼット」を中心としたOMO戦略へと転換するための前向きな構造改革でした。
Q2:オンワード樫山とオンワードホールディングスの違いは何ですか?
A2:オンワードホールディングスは東証プライムに上場する純粋持株会社(親会社)であり、グループ全体の経営戦略や資本政策を統括しています。一方の株式会社オンワード樫山は、グループの中核事業会社として「23区」「組曲」など基幹ブランドの企画・生産・販売を一手に担っています。
Q3:ファミリーセールの案内(招待状)はどうすれば手に入りますか?
A3:以前は紙の招待状やハガキが主流でしたが、現在は公式ECサイト「オンワード・クローゼット」の会員登録を行い、公式アプリをダウンロードすることで、誰でもアプリ上でファミリーセールの入場証やデジタルチケットを受け取ることが可能です。
Q4:現在の業績や株価は安定していますか?
A4:構造改革の完了により営業損益は100億円前後の安定した黒字基調に回復しています。株価も底打ちから順調に回復しており、増配や自社株買いなど株主還元を強化していることから、市場からも底堅い評価を得ています。
まとめ:激変を乗り越えたオンワード樫山の針路と賢い活用法
かつて「アパレル不況の象徴」として大量閉店が報じられたオンワード樫山ですが、その実態は、過去の成功体験であった百貨店モデルを自ら壊し、デジタル時代の新たなアパレル流通モデルへと脱皮するための大胆な挑戦でした。
「やばい」というネット上の言葉に惑わされず数字とファクトを見つめ直せば、無駄な在庫と不採算店舗を削ぎ落とし、利益を生み出す筋肉質な企業へと生まれ変わった姿が見えてきます。ECで選び、身近な店舗で試着し、納得の上で購入するという「オンワード・クローゼット」とリアル店舗の融合は、賢く上質な服を選びたい現代の生活者にとって、むしろ利便性を高める結果となっています。
伝統に胡坐をかかず、痛みを伴う変革を乗り越えた老舗アパレルの新たな挑戦は、日本企業が生き残るための確かな道筋を示しています。 (あわせて読みたい:神戸〜徳島の高速バス最速&最安攻略!料金比較と裏ワザ徹底解説) (出典: オン ワード 樫山(Yahoo!ニュース))